交通博物館、さいたま市大宮区へ「鉄道博物館」として移転
交通の要衝であり「鉄道の町」として栄えた旧大宮市のシンボルとして永年の誘致運動が実り、さいたま市の新たな集客施設として鉄道博物館の建設が、2月16日にJR東日本が発表し決まった。施設建設に約123億円をかけて、現在ある東京都千代田区にある「交通博物館」を大宮区大成町に2007年度中に移転する。
新「鉄道博物館」の概要
新「鉄道博物館」は、展示スペースも交通博物館の4,424㎡から約9,500㎡ と2倍のスペースを確保し、(1)日本及び世界の鉄道に関わる遺産・資料に加え、国鉄改革やJR東日本に関する資料を体系的に保存し、調査研究を行う「鉄道博物館」となり、 (2)鉄道システムの変遷を、車両等の実物展示を柱に、それぞれの時代背景等を交えながら、産業史として物語る「歴史博物館」として位置づけられる。 (3) 鉄道の原理・仕組みと最新(将来構想を含む)の鉄道技術について、子どもたちが、 模型やシミュレーション、遊戯器具等を活用しながら、体験的に学習する「教育博物館」 としての性格も持ち合わせることになる。
展示内容(2004.12.07追加)
1872年(明治5年)の新橋~横浜間開業から、1982年(昭和57年)の東北・上越新幹線開業に至るまでの鉄道の技術革新の歴史を物語るため、35両の実物車両(うち、御料 車は6両)を展示する。できる限り多くの車両で車内を見学できるようにするほか、一部の車両では床下の機器が見るるようになる。
旧大宮市の誘致運動が実る
旧大宮市は東日本旅客鉄道(JR東日本)の交通博物館をJR大宮駅付近に誘致しようと浦和・与野との合併協議が進む2000年、鉄道博物館建設促進議員連盟を発足させるなど誘致熱が盛り上がりはじめていた。また、2000年が市制60周年にあたり、地元では博物館を記念事業にしようとの考えもあった。ただ、JR側は、2004年に新幹線の新駅ができる本庄市でも交通博物館の誘致構想が持ち上がっていたことから大宮市に移設に慎重な姿勢を崩さずにいたが、現在の交通博物館は築後約70年を経過し老朽化・陳腐化が著しく、さらに用地が狭隘なため、博物館移転が検討されてきた。その後、3市合併後のさいたま市においても「さいたま市鉄道博物館整備基金」を設置して、交通博物館の誘致活動を積極的に行い続け、JR東日本は「交通博物館」の移転を決めた。
(2005.11.11追加)
起工式が2005年11月10日、移転先の近くのJR東日本所有地で行われた。 2007年秋オープンを目指す。
鉄道博物館の概要
所在地 | さいたま市大宮区大成町3丁目、同北区大成町4丁目 (JR大宮駅より埼玉新都市交通「大成」駅下車徒歩1分) |
敷地面積 | 約42,500m2 |
延床面積 | 約19,800m2(展示スペース約9,500m2) |
展示車両 | 30両 |
開設時期 | 2007年度中 |
展示内容 | 運転シミュレータ、模型鉄道ジオラマ、ミニ運転列車(屋外)、資料収 蔵庫(一部見学可能)、図書収蔵庫、映像コーナー、多目的ホール、 ギャラリーバルコニー、軽食・喫茶、ミュージアムショップ、研究室、 事務室 |